日本人にとって身近な存在である和食。
普段の食卓に当たり前のように並ぶご飯や味噌汁、漬物や焼き魚を、改めて「自分にとっての和食とは何か」と聞かれると意外とはっきり言葉にできない人も多いのではないでしょうか。
先日、京都文化博物館で開催されていた「特別展 和食 ~日本の自然、人々の知恵~」を会期終了直前に訪れて、普段当たり前に食べている和食の歴史と魅力を見直すきっかけを得ました。
和食展 京都文化博物館で体験
和食展では、和食がなぜ美味しいのかを科学的にひも解き、日本の自然環境や発酵、だしの文化、日本列島の食材について学べる内容でした。
展示を見て驚いたのは、味噌や醤油といった発酵調味料の微生物の働き、かつお節や昆布などの「だし」の仕組みなど、普段は意識しない部分に多くの知恵と工夫が隠れていたことです。
和食の歴史を知ると美味しさが深まる
和食展ではさらに、縄文時代の食から江戸時代の屋台文化、そして現代まで、
和食の歴史の変遷を学べました。
展示を見て感じたのは、和食はいつの時代も「もっと美味しくしたい」という人々の探究心と工夫の積み重ねで発展してきたということです。
だからこそ、知れば知るほど、普段の味噌汁一杯の味わいが変わるのだと実感しました。
印象に残った音声ガイドの言葉
展覧会の最後に流れた音声ガイドの言葉が特に印象に残っています。
今は日本にいながら世界中の食材や料理に触れられる。だからこそ、あえて日本に目を向けることが大切なのかもしれない。
日本を知ることは世界を理解すること。
食を知ることは人と環境を理解することにつながる。
この言葉を聞いて、当たり前にある和食を知ることが、自分が生きている土地の自然や文化、ひいては世界を理解する入り口になるのだと気づかされました。
和食の魅力を見直すきっかけに
今回和食展を訪れたことで、展覧会のチラシにも書かれている「知ると、もっとおいしい」という言葉の意味を体感できました。
普段は当たり前に思っている和食を、一度立ち止まって知ることで、これからの食卓が少し特別なものになる気がします。
和食の魅力は日々の暮らしの中に息づいています。
これからも「この味はどこから来たんだろう」などを思いながら、食事を一口ずつ味わっていきたいと思います。
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