以前映画を観たことがあり、ふと小説を読みたくなって手に取りました。
今回紹介するのは、シベリア抑留中に病死した一人の日本人の遺書についての本です。その内容は、70年以上の時を経た今なお、私たちの心に深く響きます。
シベリア抑留中という過酷な状況で書かれたにもかかわらず、あるいはそれゆえに、現代を生きる我々にも強く訴えかけるメッセージに満ちており、人間の尊厳と生きることの本質について深く考えさせてくれます。
印象に残った言葉
遺書の中で特に印象的だったのは、
p.266
最後に勝つものは道義であり、誠であり、まごころである。
という一節です。さらに、
p.267
立身出世など、どうでもいい。自分で自分を偉くすれば、君等が博士や大臣をもとめなくても、博士や大臣の方が君らの方へやってくることは必定だ。
と述べています。これらの言葉は、現代社会においても深い意味を持っています。
考えたこと
今日、私たちは常に成功や出世を追い求め、社会的地位や経済的豊かさを人生の目標としがちです。しかし、この言葉は、そうした外面的な成功よりも、内面的な価値観や行動の重要性を説いています。
道義を守り、誠実に生き、まごころを持って人と接すること。これらこそが、真に充実した人生を送るための基本です。
単なる出世や金銭的成功ではなく、自分の信念に従って生きること、他者のために行動すること、そして自分の内なる声に耳を傾けることの大切さをこの言葉から学びました。
また、「博士や大臣の方からやってくる」という言葉も示唆に富んでいます。これは、自分の信念に従って誠実に生きていれば、結果として社会的な評価や地位も付いてくるという意味に解釈できます。つまり、目先の利益や地位を追い求めるのではなく、自分の信念に基づいた行動を取り続けることの重要性を説いているのです。
現代社会では、SNSやメディアを通じて、常に他人の生活や成功と自分を比較してしまいがちです。そうした中で、自分の価値や人生の意味を見失いそうになることもあるでしょう。しかし、そうした外的な基準ではなく、自分の内なる価値観や信念に従って生きることの重要性を教えてくれます。
まとめ
この本を読んで、私は自分の生き方を見つめ直す機会を得ました。日々の忙しさに追われ、本当に大切なものを見失いがちな現代社会において、本書の言葉は、私たちの心に静かに、しかし力強く響きます。それは、人間として、社会の一員として、どう生きるべきかを問いかける、時代を超えた普遍的なメッセージです。
本書は歴史に興味がある人だけでなく、自分の生き方や価値観を見つめ直したいと思う全ての人にお勧めの一冊です。過去の出来事を通じて、現在と未来の自分自身を考える。そんな貴重な機会を、私たちに与えてくれます。

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