凪良ゆうさんの『汝、星の如く』と続編の『星を編む』を読み終えました。本屋大賞を受賞した『汝、星の如く』だけでも十分に心を打つ物語ですが、続編を読むことで初めてこの物語が真に完結したと感じられました。2冊を通じて描かれる人生と愛の姿は、深く心に残るものでした。
色々な愛の形
まず、2冊を通じて印象的だったのは、様々な愛の形が丁寧に描かれていたことです。家族愛や恋愛といった形にとどまらず、自己愛や人との距離感に基づいた愛もテーマとなっており、どの形も否定されることなく尊重されています。
「愛にはひとつの正解があるわけではない」ということを学びました。この多様な愛のあり方に触れることで、読者は自分自身の愛の価値観や人間関係についても見つめ直す機会を得られるのではないかと思いました。
また、この物語を数年後に再読したときには、きっと新たな発見があるだろうと感じました。登場人物たちの人生の選択や葛藤は、年齢や自分自身の置かれた状況によって異なる見え方をするはずです。物語の中で描かれる決断の重みや背景は、読むタイミングによって新たな意味を持つに違いありません。
自分の人生を生きること
特に心に残ったのは、「いつになったら自分の人生を生きるの」と言われ続けていた登場人物が、初めて自分の意志で人生を選択する場面です。これまで周囲の期待や社会の枠組みに縛られていた彼女が、勇気を持って自らの人生を選び取る姿には大きな感動を覚えました。この描写は、私たちにも「本当に自分の人生を生きているだろうか」と問いかけてくるようです。
自分の人生を自分で選ぶことの大切さは、日常生活でも忘れがちなテーマかもしれません。つい他人の目や世間の評価を優先してしまうことも多い中で、この作品は自らの選択を信じる勇気を教えてくれるように思います。
まとめ
『汝、星の如く』と『星を編む』は、読むたびに新たな気づきを与えてくれる物語でした。2冊を通して完結することで、そのテーマがより深く心に刻まれます。この作品が読者一人ひとりにとって、星のようにいつまでも光り続ける存在になることを願わずにはいられません。
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