日本を代表する名城のひとつである姫路城を訪れました。世界文化遺産にも登録され、その優美な姿から「白鷺城(しらさぎじょう)」の愛称で親しまれています。今回、実際に訪れてみると、その白く輝く城の美しさに圧倒されるとともに、長い歴史の中で受け継がれてきた城の役割や、ゆかりの人物について学ぶことができました。さらに、城のすぐそばにある庭園「好古園」では、風情ある日本庭園の魅力を味わうことができ、充実した時間を過ごしました。
「白鷺城」と称される白の美しさ
姫路城の第一印象は、何と言ってもその白さです。城壁を覆う白漆喰(しろしっくい)が日光を受けて輝き、まるで白鷺が羽を広げたかのような優雅な佇まいを見せています。この白漆喰は単なる装飾ではなく、防火の役割も果たしているとのこと。姫路城は江戸時代以前の木造建築ながら、今日まで火災による大きな被害を受けずに残っているのは、この漆喰のおかげかもしれません。
天守閣へと続く道を進むと、白壁の美しさだけでなく、巧みに配置された防御構造にも驚かされます。入り組んだ通路や狭間(さま=鉄砲や弓を撃つための穴)が随所にあり、敵の侵入を防ぐ工夫が凝らされています。城としての機能美と、白亜の優雅さを兼ね備えた姿こそが、姫路城の大きな魅力なのだと感じました。

城主たちの歴史と千姫の物語
姫路城は、戦国時代から江戸時代を通じて多くの城主の手を渡ってきました。特に有名なのは、関ヶ原の戦いの後、徳川家康の家臣である池田輝政が入城し、現在の大規模な天守を築いたことです。池田氏の後も本多氏や松平氏、酒井氏などが城主となり、姫路城は西国の要衝として重要な役割を果たしました。
また、姫路城には千姫にまつわる逸話も残されています。千姫は、徳川家康の孫であり、豊臣秀頼の正室でしたが、大坂夏の陣の後に江戸へ戻り、後に姫路城主・本多忠刻(ほんだただとき)に嫁ぎました。彼女は姫路城で穏やかな日々を送りながらも、若くして夫を亡くし、その後は仏門に入ったと伝えられています。城内には千姫が暮らしていた「西の丸」もあり、彼女の人生の一端を感じることができます。

姫路城の美しさを引き立てる好古園
姫路城の見学を終えた後、すぐ近くにある日本庭園「好古園(こうこえん)」にも足を運びました。ここは、姫路城の城下町跡に造られた庭園で、池泉回遊式庭園を中心に、9つの異なる趣の庭が楽しめます。
また、好古園は四季折々の風景が楽しめるのも魅力のひとつだと感じました。春には桜、夏には新緑、秋には紅葉、冬には雪景色と、訪れるたびに違った趣を味わえるため、何度でも訪れたくなる場所でした。

アクセスと所要時間
アクセス
JR姫路駅から徒歩20分程度です。
駅から歩くにつれて、姫路城の姿が次第に大きくなっていくのを感じられます。
所要時間
- 天守閣を中心に見学
約1.0~1.5時間 - 天守閣+西の丸・百間廊下も見学
約1.5~2.5時間 - 姫路城+好古園を合わせて観光
約3.0~4.0時間
おわりに
姫路城は、その美しさだけでなく、城としての機能や歴史、そこに生きた人々の物語を感じることができる場所でした。そして、城の余韻を楽しみながら散策できる好古園も、姫路観光には欠かせないスポットです。
まさに「百聞は一見にしかず」。写真や映像で見てきた姫路城も素晴らしいですが、実際に訪れることでしか味わえない感動がありました。次は桜の季節や紅葉の時期に再訪し、また違った表情の姫路城を楽しみたいと思います。
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