私は、ぶれずに自分の考えを貫く人に憧れがあります。
周囲に流されたり、空気を読んだりしてしまう日常の中で、「本当はどうしたいのか」「何を大事にしたいのか」を見失ってしまうこともある中、成瀬あかりという存在はとても爽快で清々しく、強く印象に残りました。
成瀬あかりというキャラクター
宮島未奈さんの『成瀬は信じた道をいく』『成瀬は天下をとりにいく』は、どちらも主人公の成瀬が物語の中心にいるようでいて、実はほとんどが彼女以外の視点で描かれています。
だからこそ、成瀬という人物の存在感が際立って感じられます。彼女が直接登場しない場面でも、誰かの言葉や行動に、成瀬の影響が静かに、でも確実に現れているのです。
成瀬のまっすぐな言葉や、ちょっと風変わりとも思える行動は、ときに周囲を驚かせます。けれどそれは、彼女が「こうあるべき」ではなく、「私はこうしたい」と自分の軸に従って生きているからこそ。そして、そんな姿勢が、見ている人の心を動かしていきます。
成瀬がいない場面ほど感じる、彼女の存在感
特に私が好きなのは、成瀬があまり登場しないお話です。物理的な距離があるからこそ、彼女の影響力の大きさを感じます。まるで、彼女のまっすぐな在り方が、見えないところで人の背中をそっと押しているかのようです。
印象的だった成瀬の言葉
「大きなことを100個言って、そのうち1つでも達成できたらすごい人」という成瀬の考え方も、とても印象的でした。
私にはなかなか真似できませんが、そう言ってしまえる彼女の潔さに、少し心が軽くなったように感じました。
最後に
成瀬は、きっと大人になっても変わらないのだと思います。社会の“常識”にとらわれることなく、自分の信じる道を歩みながら、でも確かに、誰かの心を動かしていく。そんな未来の成瀬の姿も、いつか読んでみたいと感じました。
“誰かの期待に応えるための自分”ではなく、“自分が納得できる自分”でいること。
成瀬の姿を通して、そんな大切なことを思い出させてもらった気がします。
コメント