瀬戸内海に面した山口県の大津島にある回天記念館を訪れました。回天とは、第二次世界大戦末期に日本海軍が開発した人間魚雷であり、搭乗員は自らの命を犠牲にして敵艦に突撃することを使命とされていました。
今回私は回天記念館、魚雷見張場跡、回天訓練基地跡地を回りました。
回天記念館

記念館では、回天の訓練の様子や搭乗員たちの遺書、写真などが展示されています。また、回天の元搭乗員の話をビデオ映像で観ることができます。
回天に乗った搭乗員の多くは、20歳前後の若者でした。わずか20年ほどの人生を終えなければならなかった彼らは、最後の瞬間まで何を考えていたのでしょうか。おそらく、単に「国のため」だけではなく、家族や大切な人のために命を捧げるという思いが強かったのではないかと感じました。
以前、鹿児島の知覧特攻平和記念館を訪れた際にも同じことを思いました。特攻隊員たちの遺書には、戦意高揚のための言葉だけではなく、母や父、兄弟、恋人に向けた温かなメッセージが綴られていました。回天搭乗員の手紙や遺書もまた、同じように「国」よりも「家族」への愛を強く感じさせるものが多かったです。
魚雷見張所跡

記念館を後にして、魚雷見張場跡へ向かいました。ここは、かつて搭乗員たちが魚雷を観測するために設けられた場所です。かなり急な山道を登る必要がありましたが、その先には広大な海が広がっていました。見晴らしの良いその場所で、彼らもまた同じ風景を眺めたと思うと、胸が締めつけられるような気持ちになりました。

回天訓練基地跡
さらに、回転訓練基地へも足を運びました。ここでは、実際に搭乗員たちが回天の操縦訓練を行っていたそうです。目の前に広がる海は、静かで美しく、どこまでも青く澄んでいました。しかし、この海で彼らは命を落とすことを前提とした訓練をしていたのだと思うと、その美しさが一層残酷なものに感じられました。

アクセスと所要時間
アクセス
徳山港からフェリーで馬島港へ向かい、馬島港から回天記念館までは徒歩10分ほどです。
回天記念館から魚雷見張所跡までは20分。
さらに見張所跡から訓練基地跡までは15分ほど歩きました。
所要時間
全体の所要時間は3時間程度を見ておくとよいと思います。
私は行きは 9:30徳山港発→9:48馬島港着
帰りは13:00馬島港発のフェリーで徳山港まで戻りました。
最後に
回天記念館を訪れることで、歴史を学ぶだけではなく、そこで生きた一人ひとりの若者の存在を感じることができました。彼らは何を思い、何を願いながら訓練に励み、最後の時を迎えたのでしょうか。遠い昔の話ではなく、たった80年ほど前の出来事であり、彼らは今の私よりも若い年齢だったのだと改めて実感しました。
ビデオ映像の中で元搭乗員の方が「海に手を入れれば彼らを感じられる」と語られていました。この言葉は、戦争が遠い過去の出来事ではなく、ここで生き、そして散っていった人々の存在を強く意識させるものでした。目の前に広がる瀬戸内海の穏やかな青さと、かつてこの海で繰り広げられた訓練の過酷さとが、胸の中でせめぎ合うような感覚になりました。
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